Topics|2021/06/11

峠道の残雪もいつの間にかすっかり消えて、尾瀬沼周辺では今、出足の遅いダケカンバの新緑も眩いばかりに輝いています。


大清水から三平峠を目指すと、十二曲では例年になく花の多いムラサキヤシオに迎えられます。
足元の笹の間を注意深く探せば、イチヨウランがひっそりと花を付けているのに気づくことでしょう。
沼山峠からはイワナシやミツバオウレンの花が。そして大江川湿原に下り立つと、ようやく緑を帯び始めた湿原に、タテヤマリンドウの小さな花が、無数に咲いているのに出会います。

タテヤマリンドウは曇っていたり雨だと花を閉じてしまいますが、晴天の日には場所により湿原が薄っすらとブルーに染まって見えるほどです。
湿原でよく似た黄色い花は、リュウキンカやシナノキンバイ、キジムシロ。
キジムシロは木道の近くにもよく群落を作っているので、比較的区別しやすいかもしれませんね。

湿原の緑は様々な形の葉っぱで溢れているので、意外に見飽きることはありません。
百合っ葉のようなコバイケイソウ。スズランみたいに見えるのはギョウジャニンニク。
平べったい細い葉のヒオウギアヤメに、花かと見紛うほどの赤い輪生葉のナツトウダイ。
ギザギザ葉っぱはトリカブト。このトリカブトは今ちょうど白い花を付けているニリンソウによく似ているので要注意です。

また、ニョキニョキと茶色い毛に覆われた芽を地面から立ち上げているのはヤマドリゼンマイ。ニッコウキスゲの葉も目立ってきました。
湿原はまだ花の種類こそ少ないとはいえ、どんな花を咲かせる芽なのか想像しながら歩くのがとても楽しい時期です。

コバイケイソウの蕾もちらほら

晴れた日の尾瀬沼は碧々。川の流れも穏やかになり、暑くもなく寒くもない。尾瀬はのんびり歩くのちょうど良い季節になりました。
ただし早朝はまだ冷え込むこともあります。
今朝は少し冷えて気温は3℃。日中の最高気温は18℃でしたから、やはり上着は必要です。

水芭蕉の季節はそろそろ終わり。2週間前までここには雪が残っていたなんて、とても信じられませんね。

長蔵小屋周辺には日帰りのお客様用の売店もありますし、明日からは別館の軽食喫茶も週末を中心に営業を始めます。
週末こそ多少の人出はありますが、ウィークデイであれば、ほとんど人の姿のない湿原を歩くことができるでしょう。